2013
07/12

夢展望の説明資料からも分かるEコマースの難しさ 営業利益率1~4%

夢展望が遂に上場し、昨日終値で時価総額は52億円となりました。夢展望さんおめでとうございます。

説明資料を見てみると、営業利益率が4.1%と低いことが分かります。もっと言うと、直近は4.1%ですが、それ以前は1%以下となっています。

最近、フリマやソーシャルコマース等、スマホ関連のEコマース事業が何かと話題になっているように思えます。若い方が、目をキラキラさせながらEコマースの事業提案をしてくる事も多いです。

でも、僕自身、Eコマースは非常に難易度が高いビジネスだと思っています。構造的にもそうですし、自分の近くでEコマースを担当した人が、売上も利益も上がらず、苦しんでいるのをたくさん見てきたからだと思います。

小売りは元々利益率が低いです。更に、Eコマースの場合は路面店と異なり、広告を出稿しないとお客様が来てくれません。しかし、利益率が低い場合は、お客様が「何度も何度もおとずれて、購入してくれる」想定(LTV)を立てないと、広告出稿が出来ない計算となります(費用対効果が合わない)。

お客様からすれば、「同じ商品であればどこで買っても同じ」なので、自分たちのところに来てくれる確率が異常に低いです。よく、セグメントを切ったり、セレクトショップ風にしたり・・・と、言う方もいますが、あまり効果は高くないと、個人的には思っています。

実際、SHIPSやBEAMS等のアパレルセレクトショップを見ても、何割かの割合でオリジナルブランドを入れてきています。あれは、おそらく利益率を高めるための施策でしょう。

小売りの利益率ではやっていけず、利益率の高いオリジナルブランドを入れるしかないのです。

実際、夢展望はその辺が素晴らしく、

ほとんどがオリジナルブランドで、生産国も人件費が安い中国を使っています。ここまでやって、営業利益率1%。これはもう厳しいと言いざる負えない。(夢展望という意味ではなく、Eコマースが難しいという意味)

実際、夢展望の売上総利益率は50%を超えており、利益率が高い商品は作れてはいるのですが、販管費にかなりの費用がかかっており、着地営業利益率1%となっています。

販管費の内訳を決算短信から見てみると(※半年の数字なのでご注意)

運賃梱包費が、年間換算だと8億程度とかなりかかっております。広告宣伝費は年間換算で6億程度使っているので、ここを抑えれば一時的に利益率を上げることは可能だと思いますが、次期に売上が下がり、厳しくなってくると思われるので、なかなか出稿停止はできないでしょう。

やっぱりEコマースは難しい。夢展望は商品単価2,000円、客単価5,000円とのことなので、単価が高いブランドだったらもう少し利益率は改善される可能性はあるかも。

ちなみにコマースの他社を見てみると、

(資料引用元:インターネット界隈の事を調べるお

スタートトゥデイが圧倒的に利益率が高い。

売上規模は300億。スタートトゥデイの利益率が高いのは受託販売による手数料収入を売上計上しているからとのことです。実際の他社と同一の売上高(流通額)は960億とのこと。

BUYMAとかは、あのモデルでよくあそこまで持っていったなーと思います。(売上14億円、営業利益6億円。ただ、純粋なEコマースではないし、こちらも手数料売上計上。)

まぁ、とにかく僕は気軽に「Eコマースやります」なんて言えない。根性いるよこれは。ゲームなんか比じゃない。

<追記:’13/7/12 1:55>

 

 

スタートトゥデイは売上計上の仕方が受託販売による手数料収入とのことでちょっと違ってました。関連箇所を修正しました。


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