2013
02/20

ガンホー(パズドラ)の時価総額がグリーより高いのは正直おかしいと思う

ガンホーの決算でましたね。4Qでの伸びっぷり素晴らしい。パズドラ単体で月商20億程度かと思っていましたが、まさか40~60億とは・・・。

パズドラ1本で年商150億くらいか・・・。

さて、ちまたでは「ガンホーがグリーの時価総額を抜いた」と話題です。2/19の終値だと、ガンホー2,989億、グリー2,700億と、確かに抜いております。

でも、僕から言わせると異常ですね。僕が3,000億円持っていたらガンホーではなく、グリーを買収します。ガンホーのPERが36.4倍に対して、グリーのPERは5.58倍。なんなんだろうこの差は・・・。

伸び率で、ガンホーの可能性を買われているのでしょうけど・・・「可能性・・・うーん」といった感じです。みんな意味わからず投資してるんじゃないかな。

当ブログでも度々紹介している「パズドラ」は、本当に素敵なゲームです。企画からゲームバランスまで本当に素晴らしい。完成度高すぎる。だからこそ、これだけの売上が上がっているのです。

でも、パズドラはあくまで1本のゲーム。ゲーム制作能力の高いガンホーといえども、パズドラ級のヒットタイトルを毎年1本出すのは無理です。

ガンホーはパズドラ以外にもケリ姫ロードラクレイジータワー戦国テンカトリガーと、クオリティの高い、別ジャンルのゲームを数本リリースしています。システムを再利用し、イラストや世界観を変更した「側チェン」を大量リリースする企業が多い中、様々なジャンルでこれだけ高いクオリティのゲームをリリースできるガンホーの開発能力は間違いなく高いです。でも、言い換えると、これだけ高いレベルのゲームを数本制作したにも関わらず、大ヒットしたのは1本のみなのです。

パズドラはかなり大規模なプロモーションを終えているので、この後も延々に伸び続けるということはありません(海外は可能性アリ)。1年後のパズドラ月商が、現状の半分以下になっている可能性はそれなりに高いのです。(現状まだ売上が伸びていることから、通期で見ると、2013年12月期の売上が前期を上回る可能性は高い)

対するグリーはプラットフォーマーなので、グリー内のヒットタイトル、例えば「ドリランド」の人気が落ちたところで、別の何かのタイトルが当たれば売上は落ちません。ガンホーが年間に10本制作ラインを持てたとしたら、プラットフォームのグリーはSAPタイトル含めて100以上のタイトルをリリースすることができるのです。

もっと言えば、パズドラはAppleのプラットフォームに乗っているいるので、「パズドラ」の売上が落ちて、「にゃんこ大戦争」が1位になったとしても、Appleには変わらずお金が入ってきます。プラットフォームとはそういった仕組みなのです。(※例としてGREEと同じプラットフォームのAppleを出しただけです)

何が言いたいのかというと、GREEは集団のタイトルで規模をとっており、急激に落ち込んだり枯れるリスクが低いのに対し、ガンホーは数本の制作ラインの中で毎年大ヒットを出さないと売上を維持できない、苦しい立場なのではないかということです。

1個可能性があるとしたら800万人というパズドラの会員(おそらくアクティブユーザーは400~600万人)規模はプラットフォームといえなくもなく、リワード広告手法によって、自社の他タイトルに流入させることもできなくもありません。

イメージとしては、「LINE」から「LINE POP」や「LINEバブル」に流しているように、パズドラから他の新タイトルに流せることができれば、プラットーフォーム並の影響力を持てるかもしれません。ただ、現状「パズドラ」から「ケリ姫」に流しても、突き抜ける売上(パズドラと2位以降のアプリは超えられないレベルの壁がある)を立てられそうな気配は感じられないため、やっぱり無理だと思います。

ガンホー株を買っている人の理由が知りたい・・・大ヒットタイトルを今後も出し続けられると思っての判断なのかな・・・。もしくは「ネイティブ市場の急拡大で、上位10本のアプリはパズドラ級の売上規模になると想定している」とかですかね。

人気記事

    None Found

経済ログ最新記事


Warning: array_slice() expects parameter 1 to be array, null given in /home/users/2/lolipop.jp-964f40ad7b48918/web/wp-content/themes/twentyeleven/content-single.php on line 175
  • No items

コメント

comments