2015
04/05

肌で感じるネイティブゲーム市場のサバイバル感。需要と供給のバランスの変わり目っぽい。

お久しぶりです。半年以上、このブログ更新してなかった(笑)

人生の勝負所とふんで個人事業を全停止して、休日も寝る間も惜しんで1年近く本業にフルコミットしていたのですが、色々苦戦しておりまして、「今のネイティブ市場は本当にサバイバルだな・・・」と感じております。

その理由をいくつか・・・

1.開発費が高騰している

まずは皆さんご存知の通り開発費が高騰しています。

コロプラの馬場さんが、初期のプロモーション含めて3億~5億円必要と言っていますが、本当に結構かかります。

ちなみに、開発費だけでなく運用費用もかかります。最近だと3Dとかボイスとか豪華な必殺技エフェクトとか当たり前になってきたので、物量が多く、毎月のキャラ追加費用が半端なくなってきております。

費用だけでなく、時間的な面も理想的な運用を実行するのは一苦労です。

 

2.運用だけでは勝てなくなってきている

以前に紹介したウチ姫からも分かる通り、運用は非常に重要です。

個人的には「ゲーム性でそこまでチャレンジしなければ、運用を超絶頑張ればそれなりの結果は出るハズ」と思っていました。ゲームとしての注力(エッジ)を運用に置くなら。でも、最近は運用頑るだけじゃダメになってきていると思います。

エイティングのブレイク学園とか、イベント頑張ったり、コラボ頑張ったり、アップデートしまくって、どんどん良くなっているように見えて、「凄いな、頑張ってるな」と思っているのですが、ランキング上がってこず、「上がってこないのか・・・」と思います。よくできてるのに・・・。

 

3.開発に時間がかかり、リリース時の市場を読むのが非常に難しい

ここは開発費とセットなのですが、規模が大きいと物量が多いため、開発に時間がかかります。エンジン横展(カスタマイズ含む)だと1年未満でリリースできることもあるかと思いますが、斬新なゲーム性でフルスクラッチで作ろうとすると、1年以上かかってしまいます。

1年以上先を予測するのはぶっちゃけ無理で、何を作るべきなのか判断が非常に難しいです。

僕はエイミングとか、アソビモのMMROとかマジで来ないと思ってた・・・。ファントムオブキルみたいな、操作が重いやつも。。。まいりましたって感じです。

 

4.中ヒットが狙いにくい

ここが厳しいなと思っているのですが、「それなりに無難なものを作って、無難に当てる」というのが無理になってきています。

以前だと、「戦国炎舞」フォロワーの「サムライキングダム」や、「ブレフロ」フォロワーの「マギアブレイク」だったりする作品が、中ヒットと言えると思います。

パズドラのパズルを変えて美麗にした「古の女神と宝石の射手」とか、「ドラゴンコインズ」とかもそうかもしれません。

ただ、最近はあまりそういったタイトルでランキング上位に入ってくるものはIP以外では無く、オルトプラスのアストラルゲイザーなんか、ぬるぬる動くしブレフロとの違いもあってよくできていると思うのですが、現状はヒットに至っておらず、ユーザーの目の厳しさ(厳しくなってきている)を実感しております。

 

5.「よくできている」だけでは勝てない

これを見て本当に厳しいなと思うのですが、gloopsのスカイロック以外の3本

コナミの3本

エニッシュの千年の巨神

Klabのクリスタルファンタジア

セガとアクセルマークのドラゴンパレード

と、各社の注目タイトルがことごとくランキング圏外になっております。

もちろんゲーム性や、クリエイティブに対して、当たらない理由はつけれますし(後付だし)、問題点自体はあると思うのですが、よくできている部分もたくさんあるので、これで全ゴケになるのか・・・と思います。

 

6.よくできていても勝てない

アンビションのプリンセスラッシュというゲームを僕は気に行っていて初速はランキング100位以内に入り「凄いなー」と思っていました。が、今はGooglePlayで300位以下に落ちたりしています。確かにゲーム性に揺れが出しにくいですし、イベント数の不足、レベルデザインの失敗等はあったかと思います。でも、新しいし、よくできてる。エッジもあるし。

これで落ちてきちゃうのかと・・・。春にリニューアルするみたいなので、その後に復活できるのかは注目ですけどね。

何が言いたいのかというと、ユーザーの目が肥えすぎていて、少しのミスも許されなくなってきている気がします。

 

7.なかなか癒着的なズルが難しい

僕は経営者タイプのプロデューサーなので、ズルを考えます。
が、ネイティブ市場は癒着的なズルがかなりしにくいです。

接待でなんとかなったり、「どこかの会社と組めば当たる」的なのが少ないです。
思いつくのは
・IPを借りる
・セガにパブリッシングをしてもらう
・AppBankと組む(トキノラビリンスの初速は良かった)
・ブシモやドコモと組む
・スクエニと組む
等でしょうか。

以前のmobageとGREEとの握りや、更に前のi-mode時代とは全然ちがくて、やっぱり守られてた市場だったんだな・・・と思い出にふけっております。

 

8.広告の費用対効果が合わない

これはゲームに限らず、他の市場要因が絡んでくるのですが、昔ほど広告の獲得効率がよくないため、広告で無理やり押し上げるのが難しくなってきているように思えます。

広告で勝てないとなると運用で勝つのが難しくなり、IPに頼ったり、声優パワーに頼ったりしたくなります。

ランキング上位のタイトルを見て、「IP」じゃなかったら何位なんだろう・・・、「声優がいなかったら」何位なんだろう・・・とか思います。

 

9.技術的難易度が高いジャンルが多々ある

最近はエイミングやアソビモのMMRO系が人気ですが、作れるかっていうと自社では作れません。敵のAI1つにしろ、結構大変です。

作れたとしても先行者の劣化版になってしまう確率が高い。何か1ジャンルに特化した方が良いかもなと思います。

——————–

と、市場がキツくなること自体は想定していましたが、僕が想定していたより体感値で倍くらいキツい感じになってます。ちょっと甘くみてた・・・。

と、色々かなりネガティブなことばかり書いてしまいましたが、そんなもんなのかもしれません。

言ってもネイティブゲーム市場はめちゃめちゃデカいですし、パズドラ、モンスト級の月商100億タイトルは必ず「また」生まれるでしょうし。

少しポジティブなことも書いてみると

・GvGはヒットが多い気がする
D2Cの「ロストクルセイド」、KLabの「天空のクラフトフリート」、カヤックの「僕らの甲子園」、エイチームの「ユニゾンリーグ」等、GvG系ではヒットが多い気がします。
GvG系は少ないDAUで売上を作れるため、高DAUが必要な1人プレイ型よりもヒット率が高いように思えます。

直近ではBOIの「幻獣契約クリプトラクト」が好スタートを切っていますね。

・2万人が熱狂するゲームを作る
上のGvGが当たりやすいのと理論は似ているのですが、広告での獲得がなかなか難しくなってきているため、スクエニの安藤さんがSGIの記事でおっしゃっていたように2万人というコアな層が熱狂するニッチ(?)で高ARPPUのゲームを作れば活路を見いだせるかもしれません。

僕みたいなビジネス系タイプより、オタク系なプロデューサー、ディレクターが「より」活躍する市場になっている気がします。

要は「需要と供給のバランス」が関係してきてるので、そのあたり考えれば何とかなるのかなー。この「テーマ」から入るって話もそうだよね。安藤さんの記事、面白いね。

なんか色々考える今日このごろ。
最近成長痛が激しいので、凄い成長しそうです(笑)

「おもしろい」とは何か・・・。

 


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