インデックスって粉飾(の疑い)がなくても売上150億で負債220億だから苦しかったよね
6月12日に粉飾決算の疑いで証券取引等監視委員会が強制捜査に入ったインデックスですが、粉飾どうのこうのじゃなくて、元々苦しかったですよね。まぁ苦しかったから粉飾(の疑い)したんでしょうけど。
4月15日の2013年8月期決算説明資料を見てみましょう。
売上が通期予測で156億。営業利益が約14億円。あくまで計画値で中間では56億の売上しか達成しておらず(しかも営業赤字)予想通りにいくのは困難に思える。
でもまぁここは目をつぶって予想通りの売上156億、営業利益14億円あると思いましょう。
で、最大の問題はコチラ。
負債が224億(流動負債+固定負債)もあるんですよ。意味わかります?売上156億の会社が負債224億。売上より大きい負債を抱えちゃってるの。利益じゃないですよ?売上より負債のが多いんです。
更に踏み込んで決算短信を見てみましょう。
224億の負債のうち短期借入金が193億あります。短期借入金って「返済期日が貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に到来するもの」なので、1年以内に193億円返済しないといけないんですよ。
本当なら短期借入金を長期借入金に変えないとマズいんですが、それができないんでしょうね。
決算説明資料にもちょびっと書いてますが、既に債務超過(債務者の負債の総額が資産の総額を超える状態。つまり、資産をすべて売却しても、負債を返済しきれない状態)になっています。こうなってくると銀行はお金を貸せません。
もちろん長期的にみて返済できる可能性があるなら問題無いのですが、売上も利益も下降傾向なので、復活する見込みはかなり少ないですね。
どちらかというと「資産を売却して、なんとか現金を確保して、不採算事業も全部撤退でスリムにする」って方向性になるでしょう。
そうなったスリムな事業規模で「220億の(うち残った)負債を返済するのに何年かかるんだろう・・・」って感じです。
一応、有利子負債は、ピーク時と比べると改善(圧縮)されてきてはいるんですけどね。
この状況を打破するため、もしくは生き延びるための体力はどれくらいあるのかという、「現金(キャッシュ)残高」ですが、7.68億しかありません。なんかもうどうしようもない感じになってます。
社員は連結で551人で、平均年収が546万なので、月換算で月間2.5億。もちろん単月で利益が出ていけばなんとかなる可能性がありますが、給料だけで3ヶ月分しかキャッシュを持っていないことになります。これはキツい・・・。今回の強制捜査で更に状態は悪くなると思いますし、半年持たないかもしれませんね。
大至急キャッシュを確保するために、何か売ったりするのでしょうか。
売れるとしたらデジタルゲーム事業かな。半年で売上28億、利益5億と悪くないですね。ここがいくらで売れるのか・・・。
僕の興味のあるソーシャルゲーム事業に関しては、「29万ユーザー」とか「7万人事前登録」といったレベルなので、大した規模ではなさそうです。売上を上げているのはパッケージゲーム事業の方でしょう。
なんかディスった感じになっちゃいましたが、インデックスはガラケー時代の有力CP(コンテンツプロバイダー)であり、今のソーシャルゲームバブルに近い感じで成長したイメージを持っています。公式サイト(キャリア公式のi-modeサイト等)の会社を第1陣と捉えて、インデックス、フォーサイド等が苦戦している状況を見ると、第2陣のソーシャルゲーム会社も同じような状況に陥る可能性が多々あり、正直他人事では無いです。むしろ下降の波が思ったより早く来ているので、2~3年とは言わず、半年後からドタバタと倒れていく可能性も大いにあります。
ネットビジネスは本当に流れが早いので、長期的に事業戦略(ビジョン)を描くことが大切だなと、改めて実感させられます。
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