2013
06/16

WEBサービスの広告ROI(費用対効果)算出期間について考える

僕は広告が結構好きで、

当ブログでも上記の記事を書いた。

ソーシャルゲームにおいても、各社様々な広告戦略を持っており、多種多様の広告を出稿している。

ROI(費用対効果)を見る際に、1人あたりの獲得単価(CPI or CPA)と、1人あたりの利益(LTVから粗利を計算)を見るわけだが、各社「回収期間」が異なる。

なんとなく30日以内だったり、60日以内だったり、半年だったりする。「ふーん」で終わらせることもできるが、ここの「回収期間」によって事業成長の規模がかなり変わる。

月間ARPU500円のサービスがあるとして、粗利が70%だったとしよう。

期間別のLTVを見てみると

  • 1ヶ月だと500円(粗利350円)
  • 2ヶ月だと750円(粗利525円)
  • 半年だと900円(粗利630円)
  • 1年だと1,050円(粗利 735円)

だったとする。

上記のように算出期間によって、LTVが伸びていく。広告のROIを合わせようとすると、1ヶ月で回収するにはCPA350円以内、1年で回収するにはCPA735円以内で広告を出稿することになる。(わかりやすくするためにトントンで計算している)

獲得単価が倍違うと、どのようなことが発生するかというと、「CPA350円で合わせようとすると出稿規模が月間500万だったのが、CPA735円で合わせようとすると月間2,000万出稿できたりする」のだ。

この差は非常に大きくて、1年後の規模を比べると登録ユーザー数や利益に大きな差が出る。規模が大きくなれば「規模の経済」が働くことも多く、業界のトップランカーになることができる。

で、ポイントはこの「回収期間」をどこに設定するかだ。1年とか長く設定すると、悪い方に市場の変化が発生した際に「結局回収できなかった」となり、損失が発生する場合がある。

僕の考えだと「その事業は何年持つと思っているのか?」という視点で見る。例えばGREEやmobageのようなプラットフォームだと1年で消えると思っていないだろうから、2年間の回収期間を見ても良いと思う。

プラットフォーム内で人気の出るコンテンツは色々と変わっていくだろうが、プラットフォームの収益は落ちない。仮にゲームがダメになったとしても、別のデジタルコンテンツを提供すれば良い。アバターから、ガチャに変わったように、また何か出てくる可能性が高い。

一方SAPのゲームの場合は、ユーザーの移り変わりが激しく、囲い込みも難しいため2~3ヶ月の回収期間を見るのが妥当だと思う。

とはいえSAPの場合でもヒットの兆しが見えた際は半年等の長期スパンで見る事は当然可能だし、何より「半年の回収期間を見て出稿した場合、その金額が全額無駄になってしまうのかと言えばそうではない」。

入会月別の継続率やARPUを都度追っていれば(欲をいえば経路別も)、少しずつLTVが想定より下回り、ROIが低くなっていくのに気が付く。その際に出稿額を減らしていけば、最悪でもトントンをちょっと下回るくらいで抑えることは可能だ。(2~3年スパンだと大怪我の可能性はある)

出稿規模が大きくなればなるほど、こういった違いで差がつくので、各プロデューサーやプロモーション担当者はしっかりとロジックを組んで出稿するのが良いかと思われます。

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