2012
11/23

mixiはソーシャルゲームプラットフォームとして勝負する道を閉ざしたようにも思える

mixiがDeNAとの業務提携を発表。

2013 年春(予定)に「mixi ゲーム」スマートフォン版のリニューアルを行い、ソーシャルゲームプラットフォーム『Mobage』上のゲームを、容易に「mixi ゲーム」にも配信することができるよう開発基盤の共通化を実施いたします。また、開発基盤を共通化した「mixi ゲーム」のスマートフォン版のソーシャルゲームプラットフォームを両社で共同運営してまいります。
(mixi社IRより抜粋)

と、IRには記載されておりました。注目すべきは「共同運営」の部分。mixiはプラットフォーム仕様をmobageに合わせ、さらに運営権も一部DeNAに譲渡したこととなります。

これがmixiにとって正しい判断かどうか・・・。まずmixiの現状を調べてみると、

広告売上が減少し、課金売上が伸びていることが分かります。というか既に半分以上が課金売上です。

更に、課金のうちのほとんどがアプリ課金。つまりはゲームということが分かります。

(資料引用:Social Game Info)

更に、ゲームの中身まで見てみると、mobageと同じような(もしくは全く同じ)ゲームが売れていることも分かります。

整理すると

  • mixiの売上の半分以上はゲーム
  • mixiで売れているゲームはmobageで提供しているゲームと同じ内容

と、言うことになります。

シンプルに考えれば、今回の業務提携はプラスで、売上の上昇は見られると思います。mixiゲームはmobageに比べて規模が小さく、SAP(ソーシャルアプリプロバイダー:ゲームを提供する会社)にとっては、「かかる労力」を考えると、「mixiには出さなくていいや」と、思うところがあり、mobageに仕様を合わせたことで、「ついでにmixiにも出しとくか」というパターンが今後発生すると思います。ゲームバリエーションが増え、売上は上がるでしょう。

ただ、引っ掛かるのは「mobageの傘下に入ってしまって良いのか」という点。「共同運営」と記載がある通り、DeNAがmixiゲームにガッツリと関わっていくのは明らか。と、いうことは「mixiゲームはmobageを上回ることはなくなった」ようにも思えます。

mixiの売上のうち、半分以上がゲームなのであれば「ゲームで勝つ」という方法も当然あったかと思います。「勝つ」というのは、「今より売上を上げる、利益を上げる」という意味ではなく、1位を目指すということです。しかし、ここをあっさり他社に明け渡すmixi。うむ。。。

これも「ゲームはあくまで、SNSのオマケ」的にとらえるのであれば、実際は問題ないです。SNSのPVを今まで以上に伸ばし、一部の売上上昇施策としてゲームも提供する。「mixiの主軸はあくまでSNSなんだ。SNSで1番を取る。なんらかのSNS主要機能で売上を上げるんだ」で、あるとすれば。

で、「実際のSNSの方、どうなんだよ」というとこですが、MAUは落ちています。MAUしか発表していないので、確定ではないですが、DAUはもっと落ちているでしょう。肌感覚というか、僕の周りはみんな投稿していないので、大変なことになっているようにも思えます。

現状のSNS活性状況を踏まえると「ゲームで勝つ」という選択肢は持っておいた方が良かったように思えます。そもそもmixiのゲーム戦略は以前からかなり謎です。mixiユーザーはリアルグラフなため、mobageと同じゲームを投入していてはmobageには勝てない可能性が高いです。

「あいつ、あんなゲームやってんだ・・・」とか思われたりするの恥ずかしいですし、マイミクが200人いたとして、全く同じゲームをやっている確率(一緒にプレイできる確率)はかなり低いでしょう。一般的なソーシャルゲームはバーチャルグラフの方が強いんですよ。たぶん。

そのため、「何かリアルグラフに適したゲームを投入する必要がある」と僕は考えます。にも関わらず、何故かバーチャルグラフのGREEやmobageと同じゲームばかり投入。何故なんだ・・・。

ちなみに僕だったら「こっそりとmobageと同じ仕様」にして、SAPには「mobageさんと仕様ほとんど同じっぽいんで、あまり工数かけずにうちにも出せますよ。どうですか?」とか営業して、自社でもリアルグラフに適しているであろうオリジナルゲームの開発に着手します。

そうすることで、mobageと同じようなベースの上に、独自色のリアルグラフゲームが加わることになります。そして、独自ゲームでプロモーション攻勢をかけて、一気にGREEとmobageを抜き去る。どうでしょうか。そりゃ、簡単ではないですが、売上の半分以上のシェアを占めている事業の運営権の一部を、競合に渡すとかはしないですね。絶対。

「ゲームをやっていて、リアルな仲間と出会えるSNS」とかも良いですよね。バーチャルからリアルへ・・・みたいな。コンプライアンス的にどうかは別として、謎なアバターの人と出会うより、かわいい女の子と冒険をしてドラゴンを倒しに行く方が燃えます(笑)なにはともあれ、独自色は出すべきかと。

まぁ、mixi社内でどんな戦略が描かれているかは知りませんが、「ゲーム担当者が売上を上げようと、DeNAと組むことを提案する」のは実際売上上がると思うので、間違いではありません。ただ、経営陣や全体を見る人が、将来の構想無しに、目先の売上につられてGOサインを出してしまったのであれはマズいな・・・って気がします。なんか考えがあるかもしれないですけどね。

みんなどう思ってるのかね。

「mixiゲームの売上が上がってきたら、DeNAとの提携解除」とか、デビルな戦略をとったら、mixiを見直します。っつ~か、「LINEのパクりを出すべきなのはDeNAでもサイバーエージェントでもなく、mixiだろ」と思う。何故出さない。

時価総額モブキャストの倍しかなくなっちゃったのか。

でわヾ(゚ω゚)ノ゛

人気記事

    None Found

経済ログ最新記事


Warning: array_slice() expects parameter 1 to be array, null given in /home/users/2/lolipop.jp-964f40ad7b48918/web/wp-content/themes/twentyeleven/content-single.php on line 175
  • No items

コメント

comments