2012
05/19

アダルトソーシャルゲームポータルサイト「MoeGame(モエゲーム)」で遊んでみたがイマイチだった

ソーシャルゲームの企画をしている者として、非常に興味のあった18禁のソーシャルゲーム「MoeGame(モエゲーム)」で遊んでみた。

感想の前に少し取り巻く状況を紹介したい。

エロ要素があるゲームの現状

ソーシャルゲームのプラットフォームはGREEとmobageが2大勢力だ。両社供に18禁に設定はしていないため、過激なゲームをリリースすることはできない。ただし、エロ要素が全くないのかというと、そんなことはない。

今、メインストリームとなっているカードバトルゲーム。例えば「乙女転生グリモア」というゲームはこんなカードがある。

アダルトかというと、違うと思うが、「エロ」もしくは「セクシー」という要素で訴求をしてるのは間違いない。そしてこういったゲームが、かなり売れている。エロ要素の大小はあれど、「女性キャラクター」に主軸を置くゲームは非常に増えていて

  • 秘書コレクション
  • 乙女転生グリモア
  • 煉獄のクルセイド
  • 幻想美女パラダイス

などなど、上位にランクインしているゲームもたくさんある。これは「遊んでいるユーザーが欲しくなるカードを作る」という考えから、こちらのカードにシフトしている。

カードバトル以外にもアリスマティックが展開する女性向け恋愛ゲームも過激な物が多い。

とにかく、ソーシャルゲームコンテンツに関しても、「エロ」の力は絶大であり、思い切って「エロ」に舵をきったポータルサイト「MoeGame」には非常に興味を持っていた。

アダルトプラットフォームとしての立ち位置

正直言ってアダルトに関してもGREEとmobageが延長線上で展開するのが1番ベストなのは間違いない。何故やらないのかというと1つは課金の仕組み。

GREEコインやモバコイン(ソーシャルゲームで使うアイテム等を購入するための仮想通貨)を購入するためにキャリア決済(もしくはappleの決済)を使用している方が多いと思う。この仕組みを使用している現状、ドコモ等の通信キャリア、apple等のプラットフォーマーからのアダルトコンテンツのチェックが入る。

結論から言うと、エロゲームはドコモやappleの審査を通すことができず、クレジットカード等の別の決済手段のみの展開となってしまう。クレジットカード利用等の各項目入力作業は非常に手間であり、コンバージョン(入会率や課金率)を非常に低下させる要因となる

もう1点はイメージだ。ただでさえイメージがあまり良くないソーシャルゲーム。それにアダルトを乗せると更にイメージが悪くなってしまう。動画配信のDMM.comやDVDレンタルのTSUTAYAの売上のほとんどは「アダルト」だと聞く。

ある程度市場が落ち着き、「一般作品も展開している中でアダルトもある」という見せ方であれば、将来的に展開可能であると思うが、今、展開するのはかなりのリスクがいる。

そんな理由も踏まえてか、MoeGameは株式会社モエゲームというベンチャー企業が展開をしている。設立が2012年1月なのでベンチャーという言い方をしたが、親会社やバックにいる会社があるかどうかは不明で、実際は大企業がやっている可能性もある。

ゲームをプレイしてみて

前置きが長くなったが、現在MoeGameには複数のゲームが展開されており、その中でもオススメされていて、タイトル自体も知名度の高い「夜勤病棟」をやってみた。

正直な感想は「イマイチ」だ。恋愛ゲームのような作り方をしており、ストーリーをどんどん進めていくタイプ。しかも大事であろう、3拓程度の分岐点はない。

カードバトルのような「クエスト」「ガチャ」「合成」「バトル」といった黄金サイクルも当然ない。なんとなく、それっぽいサイクルはあるのだが、複雑すぎたりして、「単純」で「なおかつハマる」、「更にもっと遊びたい人には+αの楽しみ要素がある」といった、「ソーシャルゲームの仕組みを理解している人が作ったのではないな」と感じた。

ユーザー同士の対戦等も、あるにはあるのだが、全く盛り上がっていない。そもそもユーザーのモチベーションをどこに向けるのかが定まっていない。

今回「エロ」がポイントであり、ユーザーの性欲等を刺激してどんどん進めたくさせ、「願わくばそこで課金させる」というのが必須になってくる。夜勤病棟に関してもそういった施策が全く見られないわけではないのだが、なんとなく電子コミックと同じになってしまっているのである。

モバイルの電子コミック(電子書籍)市場は9割がエロだ。1話50円程度で販売し、続きを見たいユーザーがどんどん課金していく。

MoeGameの夜勤病棟はこれの劣化版いたいな感じになってしまっている。イラストの多さ等は電子コミックに負けているので、そこに何かしらのゲームの楽しみを付加しないといけないのだが、それができていない。現状、先が見たいので、体力回復を待って、ただ進めていくだけ(クエストのようなもの)となっている。

進めるために何か工夫(攻略性)が必要なことも無いし、ソーシャル性を存分に活かした「協力プレイ」や「強くなりたい」と思わせるような施策もない。

今回、夜勤病棟以外のタイトルをやっていないため、一概に全部がダメとは言えないが、

  • カードバトル
  • 恋愛ゲーム

の一般的なソーシャルゲームヒット作を忠実に真似しつつ、そこにアダルト要素を載せていくのが第一歩だったのではないかと思う。もしくは、脱衣麻雀のような、ある程度完成されたアダルトゲームモデルが望ましい。現状は中途半端な感じを受ける。

MoeGameの他にも、DMM社が、アダルトゲームプラットフォームを展開してきたので、時間があるときにそちらもやってみたいと思う。ソーシャルゲームのロジックを、詳細に理解しているメーカーが、アダルトゲーム作ってきたら絶対に儲かるし、おもしろいゲーム作れると思うんだよね。

電子書籍がアダルトコンテンツの牽引でかなりの規模まで成長しただけに、ソーシャルゲームの更なる起爆剤として今後に期待です。

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