2013
05/29

ソーシャル(しがらみ)の新ロジックを組み込んだ「ドラゴンポーカー」 アソビズム凄いと思った

開発が遅れまくっていたアソビズムさんのドラゴンポーカーですが、ようやくリリース。僕自身楽しみにしていましたし、「あんだけ遅らせるって、どんなゲームなんだよ」という興味からプレイしてみました。

他社には無いMMORPG要素を取り入れた、非常におもしろいゲームに仕上がっておりました。UIやゲームバランス、テンポに課題は残りますが、それ以上に新感覚要素のおもしろさが突出しており、月商2~5億はいくと思われます。トップセールス2位定着もありえる。やっぱり面白い新要素って大事だなと。本当に他の難点が許容できてしまいます。勉強させて頂きました。新ロジックの挑戦頑張らないと。

基本ループ

基本ループはミッション、強化、ガチャ、バトル(コロシアム開発中?)と通常のカードバトルと同じです。

進化ロジックは素材方式(パズドラ型)を採用しているようです。RカードからR+、R+からSRもいけそうな気配(まだR→R+にしかしたことない)

 

リアルグラフで行うシャウトによるボケ合戦

本作最大の特長(新ロジック)である、ソーシャル要素。本ブログを見ているのは業界人が多いと思うので、細かい説明は省きますが、まずはリアルグラフで繋がると最高に楽しめます。

左がみー様とのプレイ。みー様がボケてくれてます(笑)みー様に限らず、リアルグラフのそれぞれのプレイヤーが一緒にプレイした際に笑わせようと、シャウトの自由文言を登録します。

右は僕がtwitterでIDを公開したことによるバーチャルグラフのシャウト。「サイプロさん、ブログ見てます」とシャウトしてくれて、ちょっと笑っちゃいました。

で、これだけで3日間ぐらい継続できます。もうこの時点で凄い。やっぱりリアルグラフって凄いなって思いました。

※ドラゴンポーカー自体に、リアルグラフを取り込む仕組み(機能)があったわけではありません。僕が業界人なため、周りにプレイしているユーザーが多く、IDを交換し合いました。通常のユーザーで、どの程度の人がリアルグラフで繋がっているかは謎です。

 

ドリランド式のプッシュ通知による復活(継続)&一緒にやってる感

モデル的にはドリランドに似ている気がしています。レイドボス型ではないのですが、プッシュ通知でフレンドがダンジョンに入ったことを知らせてくれるので「助けてあげなきゃ(ボケにいかなきゃ)」といった心理が働きます。

この「一緒にやっている感」が出ているのは素晴らしいです。ソーシャルゲームって感じです。一緒にやっている感は、継続率向上にも繋がります。

 

ポーカーだからこそ成り立つコミュニケーション

ドラゴンポーカーは5人のプレイヤー(CPU含む)が、それぞれ1枚ずつカードを出して、役が揃えば攻撃することができます。

そのため、フラッシュ狙いだったり、ストレート狙いだったり、フルハウス狙いだったりと、色々あります。

4枚同じ色が揃っていた時(フラッシュ狙い)、4枚連番になっていた時(ストレート狙い)、最後の1人が揃えるカードを持っていなかったりするんですよ。

当然「あ~~」ってなるし、最後の人は「申し訳ない」って思うんですよ。それを伝えたいがためにシャウト機能が活きてきます。

他のギルド系ゲームで、掲示板を実装しつつも、機能していない(書き込みがない)ゲームが多い中、「ポーカー」+「シャウト」は非常に相性の良い組み合わせだと思います。

どんなゲームにもこの「シャウト」を実装すれば上手くいくかといえば違います。

 

ポーカーとの相性を考えて設計されたデッキロジック

ドラゴンポーカーのデッキは全部で13枚です。エース1枚に火、水、森が4枚ずつと固定されています。

いくつか「よく考えられているな」と思うところがあって、

①カードに数字が記載されていない
デフォルトは「カードに数字の記載が無い」です。バトル開始時に数字が自動で付与されます。これは「ストレート」や「2ペア」等の確率を運営側で、ある程度コントロールするためには必要なことです。

悪徳運用をするためではなく、元々数字が入っていると、「そもそも4カード(フォーカード)揃う確率0%」という自体が発生してしまいます。そうすると面白味が減ってしまうため、調度良いバランスに落とし込むため、数字が自動付与になっていると思われます。

②トランプなのに3色
上記と同じような理由なのですが、トランプのハート、ダイヤ、スペード、クローバーの4属性ではなく、火、水、森の3属性に絞っています。これは属性の相性が分かり易いというだけではなく、フラッシュが出る確率を絶妙なバランスにするために、この属性数にしたのではないかと推測します。

 

通貨を足りなくして、ポーカーBETが活きるようにしたバランス

このゲームやたらと通貨(合成に使う通貨)が足りなくなります。「なんでだろう。ゲームバランスミスってんじゃねーか」と思っていたのですが、バトル中のポーカーに通貨をBETして増やすことができます。

特に主な機能ってことでもないのですが、ギャンブル性を高めるという意味では、アリだと思います。

※個人的にはそれでも足りないから、もうちょっと配って欲しい。BET上限上がっていくので、それでどこかのタイミングでバランス良くなる可能性も。

 

フレンド数制限によるリアルグラフからバーチャルグラフへの移行

わざとだと思うのですが、フレンドを20人しか登録できません。そのため、僕の「承認&申請」欄は常に一杯です。

フレンドはダンジョン攻略時に助けたり(自分が行く価値のあるダンジョンでないとダメ)、加勢して貰ったりすることができるので、強いに越したことはありません。

そのため、アクティブでないリアルグラフユーザーは切っていくことになります。フレンド枠20人の中で、入れ替えを始めるのです。

ここでもアソビズムさんの細かい設計が見受けられていて、

①ユーザーのLv.をバトル中に目にする

自分の左右のユーザー(一緒にバトルしたユーザー)のLv.が、目につく場所に表示されます。他のゲームだとカードのレベルが表示されたりするものですが、本作はユーザーレベルが表示されます。

これにより、「自分より圧倒的に弱いユーザーは外そう」と思ったり、「この人強くて良いなー」と思ったり、色々な感情が芽生えます。

このUIは考えられて作られているように感じます。

②20人なら名前を覚えられるし、シャウトとセットで覚えやすくなっている
20人枠なので、基本的に20人は固定です。20人って学校の1クラスより少ないので、何とか覚えられるレベルです。しかも、各ユーザーがボケたり、特徴的なシャウトをしたりと、シャウトとセットで覚えやすくなっています。

そのため、バーチャルの中でも少なからずしがらみ(「あの人にはいつもお世話になってるな・・・」「あの人のシャウトいつもおもしろいな」等)が生まれます。

これはソーシャルゲームにおいて非常に重要な点です。

この記事では「リアルグラフ→バーチャルグラフ」と理想的な推移を記載しましたが、最初からバーチャルでも、他のタイトルよりは上記の理由から強固なしがらみを作ることが可能です。

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と、まぁそんな感じで、凄くおもしろいです。

一方で「うーん」という場所も多々あり、いくつか挙げてみます

重課金ユーザーばかりが残っていくモデル

LINEのカジュアルゲームのように毎週得点がリセットされるモデルではないため、一度離脱してしまうと、再び戻って再度頑張るのがしんどいです。

マイペース(ゆっくり)でプレイしていても、強いユーザーからしたら戦力にならないので、どんどんフレンドを外されていきます。

パズドラと比較すると、マイペース具合がかなり低いので、幅広い層を獲得するのが難しく、売上のアッパーに限界があると思います。(普通の人は疲れちゃう)

結果、パズドラ並のヒットを狙えるタイトルではなく、最大で「神撃のバハムート」レベルかと思います。

 

イラストが万人受けじゃない上に、訴求機会も少ない

イラストにかなり個性があります。万人受けのテイストではなさそうです。更に、大きいイラスト(画像サイズ)を表示する機会が異常に少なく、カードの絵柄を意識することが少ないです。

そのため、イラストモチベーションによる、課金欲が低く、パラメータによる欲求しかないため、少しもったいないと思います。

バトル時、マイページ、バトル終了後のドロップ時、、ガチャページ、等に、大きいサイズのカードを見せる機会を作って、「あー、このカード格好良いな」と思う機会を増やすべきだと思います。

 

テンポが悪い。1ダンジョン5分かかる際や、通信障害での離脱も

ここがMMORPG型(←ドラポをこれといって良いか微妙)の課題だと思うのですが、他ユーザーのアクションを待つので、待ち時間が長いです。

1ダンジョンをクリアするのに、5分以上かかることが多々あります。これは結構ストレスです。

また、頻繁に通信が発生するため、電車の中でプレイしていると、固まったり、エラーによるリトライ、リタイヤが発生します。これは「アソビズムさんどうこう」の話ではないかもしれないですが、ネックではあります。

 

ダンジョンのUIが悪い

他のスマホゲームに比べてダンジョンのUIが見づらいです。(アソビズムさんはドラゴンリーグも見やすいとは言えない)

もちろん、モチベーションが高ければやっているうちに理解できるのですが、初心者ユーザーだと、どこに行けば良いのか不明ですし、トレジャー含めた目標設定にも気が付かない可能性が高いです。

また、進捗感が非常に薄いのも課題です。パズドラ型にするか、地図的UIにするかにした方が良いかもしれません。

あと、「★5 25回クリアでエリア解放」のルールも、今となっては理解できるのですが、初めは意味が分かりませんでした。これまでの1-1~4-1等のロジックに慣れているというのもアリますが、同じダンジョンを何度もやらせることは「進捗感的にどうなんだ」とも思います。

 

プレイできる回数が少ない

ダンジョンに入る際の体力消費が多いです。1回のログインで1~2回しかプレイできません。1回しかプレイできない時も多々あります。これはさすがに少ないんじゃないかな・・・と思います。

3回程度プレイできるようにして良いかと思います。

レベル(デッキコスト)が上がりにくい

ガチャでSSRを何枚か出したのですが、コストが高すぎてデッキに入れられません。更に、他のゲームより経験値が上がるのが遅いです。(上記のプレイ回数が少ないから、そう感じるだけかも)

「SSRをデッキに入れたいから頑張る」という、目標を持たせるための意図かもしれませんが、ちょっとイラっとする遅さです。

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と、他にも細かい点は多々あります。でも、僕が学んだのは「テンポが悪い等の致命的な弱点があったとしても、新しいおもしろいメインロジックがあると続けられる(我慢できる)」という点です。テンポ悪くてもソーシャル性の方で新鮮味がある、おもしろいロジックがあると、「楽しい」が勝って継続します。

ハコニワだったり、怪盗ロワイヤルだったり、昔一世を風靡したゲームも、決してイケてるUIとは言えないのに大ヒットした。「やっぱり、新ロジックって強いな」と。

あと1点、僕が設計したら「かなり気にしそうだな」という点が、「ポーカーの役が揃わないと、自分のカードの力が発揮できない(攻撃できない)」点です。

パズドラに関してはパズルによるプレイヤーごとの差は、「差が出ているように見えて、たいした差は出ていません」。どっちかというとカードの強さが大事です。これはカードという商品を売るためには重要なことです。

しかし、ドラゴンポーカーはプレイヤーによる差(実際には実力じゃなくて、運要素多数)が大きく、「せっかく手に入れたSSRのLv.MAXカードが、出番なく終わる」可能性が、結構高いです。

そうなってくると、あまりカードが重要視されなくなってしまい、「売れなくなる」確率が高まるのではないかと、脳内では考えます。

しかし、今のところそういった感情は発生していません。逆に「13枚全部強くして、総合力で勝とう」という感情が芽生え、課金機会が増えています。

とりあえず、現状のレビューはそんな感じです。また何か気が付いたり、考えが変わったりしたら書こうかと思います。

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