2012
09/08

スマホ移行でどうなった?有力CP(コンテンツプロバイダー)の現状

1、2年前の予想よりも、早いスピードで「ガラケーからスマホへの移行」が進むモバイル業界。特にi phoneの登場でモバイル系のコンテンツビジネスには大きな変化がありました。

モバイル系コンテンツビジネスの中で、大きくシェアをとっている公式CP。公式CPとは「キャリア公式のコンテンツプロバイダー」の略で、キャリア(docomo、ソフトバンク、au)の審査を通過して、公式メニューリスト(ドコモのi modeメニュー)に載っているサイトを運営している会社のことです。

月額300円等の「月額モデル」を採用しており、チャリんチャリんとお金が入ってくるモデル。それが、i phoneだと、メニューリストが存在せず、現状はandroidのドコモ「dメニュー」がその代わりとなります。しかし、dメニューがにぎわっているかといえば、イマイチな気がしています。

i phoneにもApp Storeはありますが、月額課金モデルが固定化しない(1回キリの従量課金主体)ことに加え、これまでのメニューリストと比較して手数料が高く、公式CPにとっては苦しい状況となっているのです。

上記の状況を踏まえ、簡単に解説しつつ、いくつか企業をピックアップしてみます。

株式会社MTI

着うたカテゴリ1位の「music.jp」や、女性の健康カテゴリ1位の「ルナルナ」、デコメールカテゴリ2位の「デコとも★DX」の運営を行っている会社です。

引き続き、モバイルコンテンツ事業に注力し、dメニューに加え、独自に開発したスマートフォン向け会員認証・決済プラットフォーム『mopita』の展開も行っているようです。

上場企業なので、直近の決算資料を見てみると、
営業利益が 前年同期比で41%減になってしまっているので、移行がうまくいっていないと言えるでしょう。うまく言っていないとはいえ、dメニューでも各サイトは引き続き上位に入っているため、コンテンツビジネスそのものが厳しいといえます。

株式会社ドワンゴ

着うたの「dwango.jp」を運営する企業。スマートフォンへも同様に展開はしているが、会社としてのサービス主体を「ニコニコ動画」に方向転換しており、コンテンツプロバイダーとしての立ち位置に変化が見られます。

依然、売上、利益供にモバイルのシェアは大きいですが、ポータル事業が急成長してきており、モバイルと逆転する日も近いと思われます。

株式会社アイフリーク

「デココレ」等、多くのデコメールサイトを運営する企業。デコメはスマホになってから、劇的に使われなくなった機能の1つです。

連結決算で大幅な営業赤字に転落しており、事業転換が急務と思われます。デコメールのように市場が縮小してしまうと、「デコメールとしてスマホでどうやって生き残るか」には限界があり、ドワンゴのニコニコ動画のように、他の道を探るしかないのではないでしょうか。

しかし、すぐに事業が成長するかといえば、そうではないため、この赤字幅は非常に苦しいと思います。

株式会社ザッパラス

大量の占いサイトを保有し、毎年新規で数十サイトを投入する会社。

引き続き、スマホでの占い展開が主力。売上は下がってきてはいるものの、直近での下がり幅は縮まってきており、占いに関してはスマホでも相性が良い部分があるものと思われます。

株式会社ボルテージ

女性向け恋愛ゲームを大量に運営する企業。早速業績推移を。

実はボルテージが最も優秀で、売上を下げることなく、順調に伸ばしています。これは元々ゲームだったということもあり、公式サイトから、ソーシャルゲーム(GREE、App Store)への転換を行い、成功しました。

アイフリークの件も含め、展開事業のジャンルによって、スマホ、もしくは伸びているソーシャルゲームへの転換のしやすが異なることが分かります。

アクセルマーク株式会社

着うたや、コミックサイトを展開している企業。大手CPというよりは、中堅CPといったイメージだが、内容がおもしろかったのでご紹介。

ソーシャルゲームに参入し、順調に成長しています。しかも、これまでのコミックや着うたとは、全く違う分野のカードバトルゲーム等に参入して成功しています。

既存のジャンルにこだわらず、「モバイルという土俵の成長分野に乗り換える」という面では、素敵な成功例だと思います。

株式会社ドリコム

ここも非常におもしろいです。

アクセルマーク同様に、CPとして大手ではなかったのですが、違う分野のソーシャルゲームに参入し成功。そしてモバイルコンテンツ事業を譲渡しました。違う分野で成功したから、衰退していくこれまでの事業を捨てたんですね。衰退事業を捨てて、成長分野に注力。これは悪くない判断だと思います。

【参考】ドリコム、モバイルコンテンツ事業をCAモバイルに譲渡…ソーシャルゲームなどに経営資源集中

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このように、上手くいっている企業、そうでない企業と、戦略含めて各社バラバラの動きをとっています。大きな市場変化が起こった場合、経営陣の舵取りが本当に重要となることが分かります。

また、1点、電子書籍(コミック)事業がスマホでも伸びているんじゃないかと思ってはいるのですが、1位のmenu、2位のインフォコム、3位のNTTソルマーレ供に業績が不明です。唯一インフォコムが上場してはいるのですが、ソリューション事業も展開しているため、モバイルコンテンツのみの推移が読み取れません。

そんな感じで、有力CPの現状のまとめでした。まとめるの時間かかったので、良いと思った方はソーシャルボタンをポチっと押して、拡散お願いします(笑)

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