2014
01/26

藤沢数希「外資系金融の終わり」~年収5000万円トレーダーの悩ましき日々~

年収5,000万円トレーダーで、且つブログや有料メルマガ週刊金融日記で年2,000万円以上は稼いでいる藤沢数希氏。

会社の同僚(しかも女性)に週刊金融日記(メルマガ)を「この人マジくそなんですよー」って教えて貰い、いろいろ読んでたら興味が沸いたので、「外資系金融の終わり」も読んでみた。

結論、結構おもしろくって、オススメです。金融あんまり関係ない部分の方がおもしろい。

気になったとこだけ引用しつつ紹介します。

20代の若者を高額報酬で引き抜きあうわけ

入社3年目の若者がなんでそんなにたくさんの給料をもらえたのだろうか?これは外資系投資銀行が気前がいいからでも、社員を大切にしているからでもない。答えは「それだけ払わないとライバル会社に引き抜かれる」という、それだけのことなのだ。入社3年目の若者がそれだけたくさんの利益を会社にもたらしている、というのは半分正しくて半分間違っている。
ざっくりいって、フロントオフィスの社員の適性な取り分は、会社にもたらした利益の5%~10%ぐらいだ。つまり年収5000万円の社員だったら5~10億円ぐらいは稼ぎ出すことを期待されている。しかし毎年10億円稼いでぐれる社員がいたとして、会社が自動的にそれに見合った報酬を支払うか、といったら絶対にそんなことはない。毎年10億円稼いでも、他社に引き抜かれない社員なら、会社は容赦なく最低の賃金を支払うのだ。そういうものなのだ。
(「外資系金融の終わり」:46ページより)

うむ。まぁ、そうだよね。経営とはそんなもんだ。

日本は社員の名前が表に出づらくて、ヘッドハンティングがされにくい気がするので、サラリーマンもそのあたり多少は意識した方が良いかもしれない。ソーシャルゲーム業界はプロデューサーやエンジニアは比較的ヘッドハンティング多いような気がしているけど。

ちょっとミステリアスな感じ

3人で100億円運用していたヘッジファンドがたまたま3年くらい続けていい成績を残し、ファンドマネージャーの経歴もピカピカで、なおかつちょっとミステリアスな感じがしていると、金融緩和でジャブジャブになっていたマネーがなだれ込んできて、あっという間に運用資産が100億円とか1兆円になっていた。
(「外資系金融の終わり」:51ページより)

本書の意図とは違う部分だと思うけど、「なおかつちょっとミステリアスな感じ」って、結構重要だと思っている。藤沢数希氏も匿名で、どこの誰だかわかんないけど頭よさそうで、仕事バリバリやってて、稼いでるのに、ブログ書いたり、女の子出したりするので興味出る。

恐縮ながら僕も同じだと思う。ちゃんと仕事してて、なぜかブログ書いてて、官報とか出てきちゃって、読者モデルやJKと仲良くて、テ○ガのオンラインショップ運営してて・・・なんだこいつ的な。ちょっと狙ってやっているのです。

で、これ正体がバレると恥ずかしいだけです(笑)あまり表に出すぎるとミステリアスじゃなくなる。

みんな殴るから僕も殴る

最初は、そうやってITをぶん殴るトレーダーやセールスを見て、僕のような謙虚で、ある意味いい人すぎるトレーダーは絶対にああいう傲慢な人間にはなりたくないと思った。でも、しばらくすると、僕もITを怒鳴りつけ、時に■■るようになった。ITは多数の仕事を詰め込まれていて、いつもトレーダーやセールスに早くやるように急がされている。そんなITにふつうに頼んだだけだと、後ろに回されて、永久に僕の仕事をやってもらえないのだ。ITも人間なので、いちばん怒鳴るトレーダー、一番殴られると痛いトレーダーの仕事から順番に片付けていく。だから、僕も目一杯■■らないと、僕の仕事を先にやってくれないのだ。
(「外資系金融の終わり」:128ページより)

僕も誰かを怒ったりするのが苦手です。ただ、上記のことは間違いなくて、競争だったら殴るしかない・・・。なので、部下や同僚、受託会社の人が兼務なのか専任なのかは把握しておいた方が良い。優しくしてバカを見るわけにはいかない。社会って厳しいね。

稼いでいる人ほどケチ

「しかしだよ、山田くん、たった1万円、ふたりで合計2万円ぐらいだよ。この2万円払うだけでその後にセックスできる確率がグーンと上がるなら、高くないと思わないのか。場末のソープランドに行って受付に置いてある写真と似ても似つかないモビルスーツみたいな女と一発やるのに3万ぐらいするご時世だよ。ディナーをおごるのは戦略としては全然悪くないんだ」僕は少々語気を強めて言った。
「藤沢君の言うことはもっともだよ。一理も二理もある。でも、本当に大切なことは、割り勘を要求することにおって、金が目当ての女がむこうから去って行ってくれることなんだ。僕はこうやって女をスクリーニングしているんだよ」山田君は誇らしげに答えた。
(「外資系金融の終わり」:130ページより)

メルマガだと、こんな内容がいっぱい紹介されてます(笑)僕も基本はおごっちゃうからなぁ。たまに500円くらい気持ちだけ貰うことはあるけど。中途半端な金持ちが1番金遣い荒いよね。

クビにするリスク

人事部にとって一番のリスクは、クビになった社員に裁判を起こされることだ。だから、何としても自主退職に追い込まないといけない。これがベテラン社員だと、人脈もあり財産もあるので、裁判をやってみようと思う可能性があるし、そういった会社側にとっての裁判のリスクをよくわかっているので、割増退職金も釣り上げられる。うまくやらねばざっと年収の2年分ほどの金額になる。裁判になればそれ以上だ。
ところが、新卒の社員が裁判を起こす可能性は極めて低い。「裁判なんてやったら二度と就職できないぞ」という会社側の脅しがよく利くからだ。そして、この脅しは確かにその通りなのだ。実務経験が1年もない新卒で、会社を訴えた人間をいったいどこの会社が雇うというのだ?確かに解雇無効の判決が出れば、会社は基本給を払い続けなければいけないが、新卒の場合はこの基本給も安い。つまり、万が一の裁判になって負けたとしても、会社の損失は、新卒の場合はとても小さいのである。よって、新卒のクビ切りはとことん足元を見られていて、基本給1ヶ月分程度の退職パッケージえサインさせられる。ということもある。
(「外資系金融の終わり」:210ページより)

リストラを「人数」の指示で任せられると、こうなってしまうのは仕方ない。僕も実は労働基準法結構調べたりしてる(笑)

たまに逆手にとる人いるんだよねー。裁量労働とかね。まぁ、会社側もうまくやろうとしている部分あるから仕方ないか。

個人の時代に変わりはじめている

僕はブログ「金融日記」をひとりで書き続け、経済紙でたまたまコラムを書き、有料メルマガ「週刊金融日記」などを発行している。言ってみれば週末だけ働く小さな個人メディアを営んでいるのだ。この10年ほどの間に、インターネット・テクノロジーが劇的に進歩し、さまざまなサービスがインターネット空間でほぼ無料で提供されるようになった。こういったインターネットのいわば公共財を使う形で、僕のような個人が既存のテレビ局や新聞社、出版社などと同じ土俵で戦えるメディアを作れるようになったのだ。
(「外資系金融の終わり」:227ページより)

個人で力を持つ人は確実に出てくるでしょう。もちろん100人に1人くらいの割合だろうけど。でも、100人に1人ぐらいだったらちょっと頑張ればなれると思う。

とまぁ、金融の関係ない部分ばっかり紹介しちゃったけど、1度読んでみる分にはオススメです。金融の部分以外の方がおもしろいよ。

正確に言うと、金融のロジカルなベースがあって、違う部分の本質を突いてくるからおもしろい。文章の書き方とかも勉強になります。


外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々

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