2013
06/26

DeNA創業者 南場さんの著書を読んで印象に残った10箇所抜粋

DeNA創業者の南場さんの本を読んだ。書評というか、感想を書きたかったのだが結構難しい。イケダハヤト氏の書評を参考に引用型にしてみる。

1)初期メンバーが豪華
マッキンゼー出身の南場さんはもちろんのこと、同僚だった川田さんと渡辺さん。アクセンチュアの渡辺さん(マッキンゼー出身の渡辺さんの御兄弟)と、経歴(所属起業)が豪華です。

学歴じゃないかと思いますが、やっぱり僕のまわりの一流大学出身の方々もスペック高いです。地頭が良いから吸収が早い。一流企業の方々も名前だけではなく、能力高い人多いんだろうなぁと思います。

2)創業時の出資額はソネット、リクルート、経営陣で各5,000万。筆頭は経営陣。
合計で1,5億円。かなり多いですよね。 経営陣で5,000万出せちゃうところもカッコ良い。やっぱり起業してお金を引っ張ってくる際に、前職のネームバリューも多少なりとも関係してくる場面もあると思う。もちろん当人の能力や志が認められていることは前提だけれども。

さらに、ソネットとリクルートに67%を要求されて、断って経営陣が筆頭株主になれちゃうところも凄い。

3)南場さんがピンチな時にアドバイスできる旦那様

旦那がいつも通り凄まじい寝相ですやすや寝ていた。その横で「システム詐欺にあった」とつぶやいた。小さな声だったが旦那はむくっと起き上がり、予算規模などいくつかの質問をしてきた。パニックのなかで容量を得ないながらもなんとか全容を話終わると、旦那は3つのことを言った。

  1. 諦めるな。その予算規模なら天才が3人いたら1カ月でできる
  2. 関係者、特にこれから出資しようとしている人たちに、ありのままの事実を速やかに伝えること。決して過小に伝えるな
  3. 「システム詐欺」という言葉をやめろ。社長が最大の責任者、加害者だ。なのにあたかも被害者のような言い方をしていたら誰もついてこないぞ。

これだけ言うと、またひっくり返って寝てしまった。

業界が若干近いこともあり、家庭では仕事の話をしない私が、旦那のアドバイスを聞いてそのまま実行したのは後にも先にもこのときだけだ。
(著書より引用)

なんかカッコ良い。南場さんみたいな凄い方の旦那さんって興味ある。普段干渉しないのに、いざというときに助けられる関係って素敵だなって思います。

4)ヤフオクに勝つのを諦め、黒字化への軌道修正

ネットオークションの業界ナンバーワンを諦め、黒字化を優先することになる
(著書より引用)

ヤフオクが手数料の値上げを行った際にDeNAは勝負をしかける。ビッターズの手数料を下げ、プロバイダー大手4社との誘導や共同キャンペーンを実施したのだ。しかし、「ビッターズ急進、ヤフー急落」の4ヶ月後、ヤフオクの出品数が下げ止まり、ビッターズの伸びが止まる。ここで業界ナンバーワンを諦め、黒字化へ方向転換。

イノベーションを起こそうとした起業家が、どこでナンバーワンを諦めるのか描かれており、大変参考になりました。

5)モバオクをひとりで作り、モバゲータウンも作った「オークション統計ページ(仮)」というサイトを運営していた川崎さん

「モバオクは天才が1人で作った」という話は業界内でも有名ですが、天才の川崎さん(現取締役)がjointした経緯が綴られています。個人で「オークション統計ページ(仮)」というウェブサイトを運営していた方だったのですね。

そんなところから天才が見つかるものだから世の中おもしろいです。会社のホームページを見てみると「東京大学大学院博士課程」と書いてある。やっぱりスペック高い(笑)

6)創業メンバーの株売却で人間味を感じる

ナベが初めて株を売りたいと言ってきたとき、なにごとにもおおらかな川田は頓着しなかったが、私は、「株は売らない、売るなら一緒に」という約束を創業時にしていたことを思い出し、それはないよ、と言って待ってもらったことがある。
(中略)
でも簡単に大事な約束を破棄したくはない。自分の気持ちの落ち着かせどころがなかなか見つからずに考えた結果、全員で少しずつ一定割合を売却することを提案した。ナベにしたら売りたい量の数分の1となってしまったし、私も川田も売却したくないのに付き合うことになったが、一度は歩調を合わせ、約束を守ったという事実を作ることにした。

売却のあと、私の部屋に集まってもらい、それぞれの配慮にお礼を言って、「これからは自由にしよう、私への事前相談も不要だから」と伝えた。
(著書より引用)

なんか人間味を感じますよね。サイバーエージェント藤田社長の「渋谷ではたらく社長の告白」にも宇野さん(USENグループ会長)との人間味のある話が綴られていましたが、やっぱり器の大きさというか、人間味があるというか・・・なんか良いですよね。

7)初日に成功を確信したモバゲー

ユーザーが早くもゲームや書き込みを楽しみはじめ、仲間も呼び始めている様に見入ったのだ。モバオクは成功を確信するまでに数週間かかったが、モバゲーはこのように始まってすぐに驀進を開始。成功の確信には数時間もかからなかった。
(著書より引用)

こういったサービスってあるんですね。やっぱり「超」大ヒットサービスは初速から凄いのだろうか。

8)怪盗ロワイヤルを作ったのはゲーム制作経験もプレイ経験もほぼなかった大塚さん
僕自身、大ヒットサービスを生み出したいと思っているので、これまでどんな方がヒットを産み出しているのか非常に興味がある。間違いなく大ヒットサービスである「怪盗ロワイヤル」。作ったのは新卒5年目の大塚さんだったとのこと。

初めの配属は営業で、同期から1年遅れでプログラミングの勉強を開始、「モバまち」を作り大失敗の後、ゲームはつくったことがないどころか、ほとんどやったことすらない状態から、facebookのゲームを「ヒット作」から「ヒットしていないもの」まで総ざらいし、成功するゲームのエッセンスを抽出。全部盛りにしてアレンジしてまとめあげた物が怪盗ロワイヤルとのこと。

僕もゲーム畑の人間ではなく(ゲームというよりはWEBサービス全般の人間)、同じようなことをしている状態なので、ちょっと勇気付けられました。ゲーム自体はクリエイティブな面もありつつも、分解して再構築、アレンジを加えてヒットゲームが生まれるはずだ。特にソーシャルゲームやスマホゲーム(パッケージよりではなく、ライトなもの)はロジカルな物が多い気がする。

9)出戻り歓迎の姿勢

出戻りは絶対に許さない、という経営者もいる。賛否両論あるのだろう。もちろん個別判断だが、私はおおむね歓迎する。外を見て、視野を広げたうえでまた選んでもらえるならその選択は本物だし、DeNAのよさや課題を客観的に捉えて改革の旗ふりをしてほしい。
(著書より引用)

僕の以前の会社も出戻りの方が何人かいた。失敗して戻ってきた方もいるかと思うが、やっぱり同じ会社にずっといるよりは、数年外の会社に出た方が「違う何か」を吸収して、より良くなる場合も多々あるかと思う。

当然、人によるし、コンプライアンス的な問題もあるので、一概にはいえないが、僕は賛成だ。以前僕が本当にお世話になった会社がピンチで、僕が助けられる実力があるのであれば(今はまだ無いと思っている)戻ることも検討すると思う。

10)南場さんと守安さんの仲の良さ
現社長の守安さんが本当に多く登場する。英語の会話や、ルックスの話など、おもしろい話が次々と出てくる。「仲良いんだなぁ」と思うし、信頼しあっている感じが伝わってくる。

色々な経営者の方にお話しを伺っていると、1人(孤独やワンマン)の会社も多いが、やっぱり仲間がいる会社の方が強い。DeNAはチームで色々な事業を展開し、失敗し、盛り返して成功してきているのでやっぱり強いんだろうなと。

今はちょっと苦戦している時期だけど、DeNAは大丈夫だと思う。長期的に見てね。

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ソーシャルゲーム業界の方は必読です。


不格好経営―チームDeNAの挑戦

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