個人では当ブログ含め、無料メディア（広告収入モデル）を運営しておりますが、僕の得意なネットビジネスは課金系です。例えば「月額○○円」だったり、「基本無料　+　従量課金」だったり。運営していると色々な数字を見ます。

最近のソーシャルゲームを例に挙げると

• 入会率（CVR）
• 課金率
• 継続率
• ARPU（登録者一人あたりの売上）
• ARPPU(有料会員一人当たりの売上：ソシャゲだと課金している人の課金額平均）
• DAU
• MAU

等を眺めてます。まぁどれも大事です。

他にもガチャの回転数だったり、アイテム別売上だったり、チュートリアル突破率だったり、消費アイテム数だったり・・・見ようと思えばキリがないくらいあります。

ソーシャルゲームはイベントによって売上がブレますし、ユーザーの入れ替わりも早いので、これを日別だったり、時間単位とかで見たりもします。

まぁ大事っちゃ大事なんですが、日別の数字を気にしすぎて、LTVを把握していないプロデューサーが多い気がします。

僕の考えでは１番大事な数値はLTV（顧客生涯価値）です。
ユーザー１人あたりの生涯売上ですね。

例えば

• 平均継続月数が３ヶ月
• 月間ARPUが500円

上記の場合LTVは1,500円。

まぁごくごく当たり前のことを言いすぎてて「何言ってんだ」って思うかもしれないですけど、意外とLTV見てない人多いんですよ。。LTV言えないのに、DAUと課金率とARPUだけ言えちゃう人。

イベントを打とうが、チュートリアルを簡易的にしようが、コンプガチャを廃止しようが、影響があったかどうか１番見るべき数値はここです。

ありがちなのが「月初のイベントがヒットして、ARPPU超あがった。このイベントは成功だ」って感じの人。まぁ実際成功かも知れないですが、そのイベントにより「課金しすぎた疲弊」が起こり、継続率が下がって結果的にLTVが下がる可能性もあります。

本来は半年とか１年とかの長いスパンで集計するべき数値なのですが、のんびり半年かけてLTVを見ているとネット業界では浦島太郎になってしまうので、せめて月間程度で毎月追っていくことにはなりますが、大事なのはやはりLTVです。（予測値を入れてLTVを算出する）

内部的な数値に関してはここを上げるために様々なチューニングをするべきだと思います。（ここを上げるために、課金率やARPPUを見ていく）

そうしてもう１つが外部的な数値。１番大事なのはユーザーをいくらで集客してくるかというCPA【Cost Per Action】という数値。アプリ系ではインストールなので、CPIと言ったりもします。

10万円の広告費を使って、200人のユーザーを獲得することができたらCPAは500円（10万÷200人）です。

ここまで全部適当な数値を入れてますが、紹介した数字は

• LTV1,500円
• CPAは500円

の２種類。これに加えて

• プラットフォーム手数料30%

とします。そうすると1,500 －  450円で、入金される売上は1,050円となります。

気が付く人は気が付きますが、
1,050-500円の550円が利益となります。
広告でお客さんを１人連れてきて、遊んで貰ったら550円儲かるのです。
550円って小さいじゃないですか。
でもこれが、1.05億円 – 5,000万円 =　5,050万円になったら結構大きいですよね。
更に10.5億 – 5億 =5.5億になれば、かなりニヤニヤしてくる数値となります。

１人あたりの収益がCPIを超えるようであれば、あとはお金の力でレバレッジをかけるのです。小さい会社は勝算が高ければ全力でお金を借りるべきです。

まぁこれがネットビジネスですな。他の業界含めて、どんなビジネスでもロジックは同じなのですが、ネットビジネスでは数字を明確に追うことができる。人件費や制作費は基本的には固定なので、あとはユーザーが獲得できればできる程利益が出る。

実際5億円も出稿すると広告効果悪くなってCPA500円じゃなくて、2,000円になったり、LTVも集客導線（どのから入ってきたお客さんか）によって変わってきますし、コントロール難しいんですけどね。でも、内部的な多すぎる数値をみて意味のない一喜一憂をするより、ビジネス視点で色々な面のLTVと、色々な面のCPAを見るのがベストだと思います。

もし、あまり注視していない人がいたら見てみてください。

これだけ見てると金の亡者に見えるかもしれないですが、継続率を含めたLTVを極めることや、多くの方に素敵なサービスをお知らせできるようにするCPIを極めることはお客様にとっても悪いことではないと思います。