「ぐるなび」vs「食べログ」の戦いが非常におもしろい。

皆さんは飲み会の際にお店を探す時、なんのサービスを利用しますか？以前は「ぐるなび」や「ホットペッパー」でしたが、最近は「食べログ」という方が多いのではないでしょうか。

ステマ事件で、一時期騒がれもしましたが、やはり「口コミ」という「広告」とは別の「感想」という信頼度の高さで「食べログ」はかなりの人気を誇っているかと思います。

少し、イメージだけでお話をしますが、一般的な消費者目線でいうと、ある程度の規模（口コミが貯まる）になった「食べログ」と、お店側がお金を払って掲載する「ぐるなび」。「食べログの方が優れたサービスだ」と思う人が多いのではないでしょうか。

しかし、ビジネス視点で見た際、現状は「ぐるなび」の圧勝といえます。こちらが「ぐるなび」と「食べログ」の四半期売上です。

（※ぐるなびは2012年3月第1四半期連結決算より。　食べログは2012年3月期決算説明資料より）

四半期売上で「ぐるなび」61億に対して「食べログ」8億。かなりの差があります。そもそもこの２つのサービスはビジネスモデルが大きく異なります。

明らかに「ぐるなび」の方が太いパイプの収入減を持っています。ちなみに「ぐるなび」の掲載料はコチラ（オフィシャルでは掲載がなく、アンオフィシャル情報です）。完全にＨＰ制作会社のようなモデルですよね。

対して食べログは通常のimpで稼ぐ広告モデル。厳しいと言われているメディア型のモデルなんですよ。

一概に売上が多いから「ぐるなび」の勝ちかとは言い切れません。食べログの利益が公表されていないので。。営業が多いからだと思いますが「ぐるなび」は社員が単体1,254名もいます。「食べログ」を運営するカカクコムは354名しかいません。（主力サービスの価格.com等と合わせての会社の社員数）

「食べログ」の方が運用コストかかってないと思うんですよね。逆に「ぐるなび」は運用コストかかりすぎ。拡大戦略の際は営業に力入れるべきだけど、安定期に入ったのなら、営業減らして、もっと利益出すべきじゃないかな。（まだ利益伸びてるっぽいのでまだ拡大期なのかも知れないですが）

なので、
有料で運用費大の「ぐるなび」　　vs 　　無料で運用費小の「食べログ」
どちらが突き出るのが非常に興味があります。

今までの僕のビジネス経験からいうと、メディア運営は厳しいため、やはり有料の「ぐるなび」モデルが勝つと思われます。

利益が公表されていないながら、「食べログ」が苦しんでいると思われる記事がコチラ。
■iPhoneアプリ版「食べログ」、突然の課金サービスにユーザーから非難の声

四半期で8億の売上だと、月間2.6億。運用費そんなにかからないと思うので、月間1.6億以上は利益出てるんじゃないかなと思います。一時期、販促費をかなり使っていたから、累損解消してるか分からないけど、解消はできるでしょう。

問題は天井です。ここから倍のPVになったとしても、「ぐるなび」の売上に届かない。無料モデルは規模が小さいんです。facebookのような、同一ユーザーが１日に何回も閲覧するモデル以外は厳しい。

なのでここからが、カカクコムさんのお手並み拝見ですかね。

コンテンツを「有料で出す」か「無料で出す」かって、今後のあらゆるデジタルコンテンツの難しい問題だと思うんですよね。僕は売上計画を立て易い「有料モデル」を選択する場合が多いですが、無料化が進んでいるという現実もあるので、あらゆる「有料」vs「無料」に注視したいと思います。

ちなみに、製作費をかける場合は絶対的に有料にするべきだと思っています。製作費をかけて広告収入で補うというのは、正直厳しいです。例えばフリーペーパーが全滅したことは良い例だと思います。あれは有料でないと成り立たないモデルだったんですね。制作に手間がかかりすぎるんです。

可能性がある無料モデルは、ユーザーがコンテンツを生み出すモデルですね。食べログも「感想」というコンテンツをユーザーが「無料」で作り出しています。

また、ニフティの「デコゲット」やyoutubeの「違法アップロードPV」のような、違法系の無料モデルも弊害というか、なんというか・・・有料モデルを展開する際の重要な懸念事項になるかと思います。

僕は・・・「ぐるなび」応援派ですかね（笑）