2012
07/24

リッチ化が進むソーシャルゲーム 生き残るSAPは10社のみ!?

あなたは「拡散性ミリオンアーサー」というソーシャルゲームをご存知だろうか。現在、世界最高峰のソーシャルゲームである。

僕自身、ソーシャルゲーム(特にカードバトル)に関してはそれなりに詳しいと自負しているが、この「拡散性ミリオンアーサー」には本当に衝撃を受けた。

ソーシャルゲームの中で抜群の人気と収益力を誇るカードバトルゲーム。まだまだ浅い歴史ながら確実に進化を遂げている。動きを紐解くと

第1世代  :ドラゴンコレクション
第1.5世代:ドリランド
第2世代  :神撃のバハムート
第2.5世代:怪物クロニクル
第3世代  :拡散性ミリオンアーサー

と言えると思う。様々なゲームをプレイした僕ですら、拡散性ミリオンアーサーには衝撃を受けた。

常識を覆す程の高グラフィックゲーム

 ミリオンアーサーは3G回線ではアプリをダウンロードすることができない。これはデータ量が膨大すぎるためである。wifi環境限定の場合、ダウンロードするユーザー層が狭まるため、多くの企業は3G回線でダウンロードできる、容量ギリギリに落としている。

しかしながらスクウェア・エニックスは、あくまで高グラフィックにこだわった。

結論から言うとこれは成功である。「ソーシャルゲームとは思えない超高クオリティ」である。以前、「神撃のバハムート」の超美麗カードにも驚愕したが、それ以上の衝撃と言っても過言ではない。

クエスト画面、バトル画面、ガチャ画面。全てにおいてPSPでゲームをやっているかのようなグラフィックが続く、「カードバトル」というよりはRPGをやっている感覚なのである。

これまでカードバトルやソーシャルゲームに抵抗のあったユーザーでも、プレイできると思う。

こういったゲームに関しては文章で感じるよりも、実際にプレイした方が分かりやすいため、是非プレイして欲しい。

革新的機能等はなく、コンテンツのリッチ化が本作の最大の特徴といえる。当然、横画面含めた演出方法も素晴らしい。

コンテンツのリッチ化によるゲーム開発費の高騰

「拡散性ミリオンアーサー」の後に、mobageやGREEのゲームに戻ると、残念ながら物足りなさを少し感じる。

本作品はApp Storeのトップセールスにおいて、何週も1位を獲得しており、ユーザーからの人気を獲得していることは間違いない。上記の感想、実績から、「拡散性ミリオンアーサー」のようなリッチゲームが今後のスタンダードになると思われる。

「拡散性ミリオンアーサー」の開発費だが、推定5,000万~1億程度はかかっているのでないかと思う。

ちなみにこれまでのゲームは
ドラゴンコレクション:1,000~2,000万
神撃のバハムート  :2,000~3,000万
だと想定する。(上記初期費用のみで、ランニング費用は別)

見て分かるように、かなり制作費が高騰してきている。ただし、拡散性ミリオンアーサーは月間1億円以上の売上を上げており、黒字化には成功していると予想される。
(スクウェアエニックスのIRでは「拡散性ミリオンアーサー」単体の収益性は確認できない)

開発費の高騰により、中小規模のSAPが脱落

これまで、ソーシャルゲーム業界は小さいコストで立ち上げ、その後の運用に力を入れることで、収益を上げることができていた。そのため、多くのベンチャー企業も収益化に成功し、多くの会社が上場含め、市場成長に貢献したといえる。

しかし、市場の成長期も一段落し、コンテンツのリッチ化が進んだ今、状況は一変する。「コンテンツのリッチ化を行えば、必ずヒットするか」といえば、当然そうではないため、一段と「投資リスクが高くなる」といえる。資金力に乏しいベンチャー企業は、リッチコンテンツ1本を投入するには会社の存続に影響が出てくる。

これらの状況から、現在中小規模のSAPは市場から脱落していくと言える。既に、SAPの統廃合が進んでいるが、「大手SAPが開発リソース確保のために、小型SAPを買収する」といった構図は更に加速すると思われる。

SAPで生き残るのは10社のみ

(引用:http://geimin.net/da/db/2011_ne_mc/
上記2011年のテレビゲームソフト売上のメーカー別シェアである。

数多くのタイトルが出ていながら、上位10社で市場の80%を占拠している。
既にご存知の通り、
ファミコン
スーパーファミコン
プレイステーション
プレイステーション2
プレイステーション3
とテレビゲームはどんどんリッチ化が進み、開発コストも高騰している。

そう、まさに現在のソーシャルゲームの先行状況なのである。当然、おもしろいリッチコンテンツゲームを作れる、資金リソースを持っている企業は数社に絞られ、生き残ったのは10社になった。また、テレビゲームソフト業界も「大企業が中小企業を買収する」といった構図が起こっていたことは記憶に新しい。

まさに、これと同じ現象がソーシャルゲームにも起こると想定される。当然ながらソーシャルゲーム専門会社のみならず、ゲームメーカーも参入してくるため、市場の成長が鈍化した今、本当のソーシャルゲーム戦国時代が幕を開ける。

 

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