2012
07/04

資金調達成功は祝杯を挙げる気分にはどうしてもなれない 「PeaTix」が100万ドルの資金調達


以前、紹介したチケット販売サイトの「PeaTix」が100万ドルの資金調達を行った。

以前の記事:イベントオーガナイザーに、是非使って欲しい、素敵なホームページ&チケット販売サービスPeaTix
参考記事:プレスリリース

月商が約1億円(おそらくチケットの販売額だと思われる)の規模に達しているとのことで、そんな規模まで成長しているのかと驚きました。

今後は大きいイベントを取扱えるかどうかが肝ですかね。音楽系は、色々なしがらみがあって結構難しいので、ビジネス寄りのイベントや展覧会系を狙うのが良いような気もします。

Peatix、CEOの原田さんが「資金調達のお知らせに寄せて」という面白い記事を書かれていました。

多くの皆様に「おめでとう」という声を頂戴する。大変有り難い。ただ当事者の僕らは祝杯を挙げる気分にはどうしてもなれない。「挑戦を続けて良い」という「免罪符」を頂いた、というのが正直な気持ちである。起業は罪深い。家族、親族、友人などにひたすら迷惑をかけ続ける。金に困っては頭を下げてお金を貸してもらい、ろくに家にも帰らず、四六時中むすっとした表情で戦略を頭の中で描き続ける。人様の命綱=お金を受取り、9割の確率でその命綱を使い果たしてはお返し出来ないことになる。大迷惑。とても罪深い。気軽に「へい兄ちゃん、起業しちゃいなよ」なんて口が裂けても言えない。起業なんて絶対に勧めないよ。

原田さん自身、素晴らしい経歴をお持ちなので、僕なんかが口を挟むのは気が引けるが、これが理想的な心境ではないだろうか。

資金調達に関して2つのフェーズがあると思っており
1.現状利益は出ていないが、将来の可能性に賭けて資金を調達する
2.利益は出ており、資金があればプロモーション等によりドライブをかけることができ、資金を調達する
2のフェーズに達しているのであれば、ある程度余裕が出てくるのかも知れないが、単月黒字に持っていけていない場合、いつ倒産してもおかしくない。資金を出してくれる人がいなくなれば、おしまい。

こうも書かれている。

今回は百万ドルという大金を投資して頂き、同時に投資家に対して新たな約束事が生まれた、と認識している。目指すべき企業価値はもちろんのこと、人々が集まる場に対してより便利で有意義なツールを提供しなければいけない。しかももっと大きなスケールで。チャレンジのハードルが大幅に上がった。祝杯を挙げている暇はない。最近見かける多くのベンチャー起業家みたいに、結果を1円も出してないのに大CEO気取りでメディアインタビューに答えてる暇もない。気を引き締めて寡黙に次のステージに進んで行く。生き残るために、頂いた免罪符を手に、迷惑かけ続けながら、ごめんなさいごめんなさいと頭を下げながら、挑戦を続けて行く。

資金を出してくれた人に恩返しをするには、上場等、企業価値を高めるしかない。「世の中の役に立つサービス」、「おもしろいサービスを提供する」ことは当然大事だが、利益が出ていなければ継続させることはできない。 ボランティアには限界がある。

確かにベンチャー企業CEOのドヤ顔露出は多い。プロモーションという位置づけとして、メディアへの露出は大事だが、「利益出てんの?」「事業計画順調なの?」「単黒いつ?」「累損一掃いつ?」と、思わなくもない。勝手に売上から経常を計算すると「だいぶ赤字だな・・・単黒までいくには、このくらいの売上必要だけど、ちゃんと考えてんのかな」とか思う。

本来はドヤ顔じゃなくって、「まだ他人様の資金で頑張らせて貰ってます。必死に頑張ってます」ってのが正しいんだろうなぁ。B to Cビジネスの場合、ユーザーからも色々言われる。僕自身、月額300円のサービスで、業界10位以内に入るサイトを運営していても赤字だった時もある。赤字でもユーザーには見えないので「300円もとってるんだから、もっとコンテンツ数増やしてよ」「これで300円とか詐欺じゃん」とか言われる。

お客様がそう感じたのであれば、それは貴重な意見であり、今後の運営にも反映させる。それが300円の対価としての認識であれば、なんとかするしかない。ただ、「まだ赤字なんですよ・・・結構頑張らせて貰ってるんですが。。」「あっちのコンテンツが一杯あるやつは違法アップロードというやつでして・・・」等、説明したくもなる(苦笑)

いや~、利益を出す経営って本当に難しい。俺もドヤ顔は結果出してからするようにしないとな。特に他人にお金借りたり、迷惑かけてる場合は。

余談ですが、原田さんのように「おもしろい記事」を書く社長、社員のいる会社は伸びる気がします。「おもしろい」の説明は難しいですが、自分がこれまで会った、成功していった人は「あ、この人はこんな風に考えてるのか。おもしろい視点だな」と感心させられることが多かったです。

PeaTixさん頑張って欲しいです。応援してます。

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